賃貸を検証してみる
所有・利用形態を見て、現行の賃料が周辺相場からみてどのような水準にあるか十分に注意する必要がある。
評価におけるスタンスショッピングセンターは純然たる収益物件であることから、時価評価を行うにあたっては、収益還元法を重視した評価が望ましいと考える。
したがって賃料収入をベースとし、純収益を求め、この純収益を還元利回りで還元して求めた収益価格が、評価において重視されるのである。
ただし、次の点に注意を要する。
マルチテナントの場合は、実際に徴収している賃料収入をもとにして収益還元を行うことが可能と思われるが、過去の動向、周辺相場どの水準との禿離の有無のチェックが必要である。
特に、関係会社間における賃貸の場合は、現行の賃貸料が必ずしも、周辺相場と一致しておらず、賃料の妥当性を検証する必要がある。
外資系の企業が、投資物件として取得する場合には、賃料ばかりではなく、テナントの格付について重視する傾向にある。
最も厳しいところでは、各店舗の売上、営業利益、競合店舗の状況まで調査を要求するところもあるが、店舗売上等は厳秘事項であることから調査不能な面もある。
現行賃料は相場並だと考えられる場合でも、入居しているテナントがその家賃を負担できる能力があるかどうかが問題になる。
「商業テナントの場合、賃料負担能力は粗利益で決まる」という考えを持つ人がいる。
この考え方について少し説明する。
粗利益は「売上高一仕入価格」で求められるが、現行の賃貸料がこの粗利益に対して見た割合がどの程度かというのを求めてみる。
流通業界では賃料負担能力は「粗利3分割の原則」といった考え方がある。
これは、粗利益に対する賃料の割合の限界は3分の1程度が上限だということを意味している。
たとえば、売上高が300億円の百貨店店舗で、粗利益が75億円(粗利率25%)であったとする。
この場合に、賃料負担能力を粗利の3分の1と考えると、次の通りとなる。
特に、大規模のショッッピングセンターの場合等では、建設協力金、敷金、保証金といった項目で資金を徴収しているものが多い。
これは、建物の建設等に多額の資金が必要となることから、この部分をテナント側が一括して負担し、貸主サイドのリスクを軽減するためにとられているものである。
一口に敷金といっても住宅のように月額家賃の2〜3カ月相当とは異なり、最低1〜5年分といったものもあり、当然にしてその額は大きいものになる。
しかし、建設協力金等はほとんどのものが要返還債務である。
したがって、土地・建物の評価が仮に100億円の価値の物件であり、実際ショッピングセンターを売却しようとすると建設協力金50億円、敷金30億円が存在したとしても、いずれも要返還債務と考えられるものであれば、実際の現金決済ではこれらの額を差引いた20億円の価値しかないことになるので注意が必要となる。
c、工事負担区分との関係また、建設協力金とは別にテナントビルの場合、躯体のみを貸し、中の設備はテナントが工事負担するスケルトン貸しというものがある。
特に飲食店舗関係はこのケースに該当するものが多い。
大手スーパー等が核店舗として入るショッピングセンターなどでは、工事負担を貸主側が建物の躯体のみとし、エレベーター・エスカレーター・空調設備等につきテナント側が工事を行うケースもある。
この部分は当然考慮する必要がある。
【評価例】次の想定例について、収益ベースでの不動産評価(収益還元価格)を考えてみる。
所在:▲▲県○○市××駅前○○市は▲▲県第二の都市で人口約30万人を有する。
主要産業は工業で、ハイテク産業を中心に比較的景況は良い本件は、○○市の中心駅であるJR□口本線××駅前に立地するペデストリアンデッキで駅とは接続し、駐車場も200台収容可能と施設面では良好である。
また1階部分はバス発着所と直接接続している規模:土地面積:10、000、2建物延床面積:75、000、2店舗部分面積:50、000mZ構造:鉄骨鉄筋コンクリート造の地下1階地上6階建店舗構成:大手百貨店「AAA」が入居している。
平成元年オープン・一部小口のテナントがあるが、「AAA」百貨店からサブリースの形をとっている。
地下1階:食料品売場<国道N号線>飲食店街××駅111ステーションビル。
対象物件商店街大規模の事務所ビル街周辺相場賃料との整合性AAAデパートの対面に111ステーションビルがある。
これは店舗テナントビルで、AAAデパートよりも古く昭和55年オープンした地上7階建てのビルで、1階に食料品・土産品店舗、2階より上は衣料品店、雑貨店等が入居している。
グレードはAAA百貨店のビルに比べると劣る。
平成元年ごろ坪平均15、000円で賃貸されていたが、最近時では坪あたり12、000円(いずれも共益費込)で賃貸されていることが判明した。
一方AAA百貨店は平成元年オープン当初からの契約賃貸料から、変更1階〜5階:衣料品等の売場6階:食堂街賃料及びAAA百貨店に関するデータを集めたところ次の通りとなった。
賃料:月2億5000万円(サブリース部分を含む)年間30億円床面積あたり5、000円/u(坪あたり16、525円)いずれも共益費込AAA百貨店:売上高:年間300億円粗利率:30%されることなく今日まできている。
AAA百貨店としては賃料引下げを平成8年から要請しているものの、オーナーサイドが拒否している状況にある。
賃料引下げ交渉の経緯と周辺相場賃料の動向を考慮すると、AAA百貨店の賃貸料も将来的に下落する可能性があると判断し、現行5、000円/uの賃料から1割ダウンを予測し4、500円/mZと考えた。
単価店舗面積月あたり貫料4、500円/u×50、000、2=225、000、000円賃料負担能力からの検証次に、周辺相場賃料で調整した賃料が、テナントの賃料負担能力から見て妥当かどうかを検証する。
(月あたりの賃料225、000、000円×12カ月)÷粗利益(売上高300億円×粗利率30%)=30%粗利3分の1原則に合致。
なお、売上高に対し年間賃料は9%となる。
収入したがって、収入を周辺賃料との整合性、賃料負担能力双方を考慮した月2億2、500万円と査定した。
費用本件店舗ビルについて調査した結果、年間に以下の費用がかかることが判明した維持管理費300、000、000円修繕費3 0 0 、 0 0 0 、 0 0 0 円公租公課(土地・建物合計)100、000、00o円損害保険料(火災保険)50、000、000円合計750、000、000円純収益収入225、000、000円×12カ月一費用750、000、000円=1、950、000、000円収益還元価格収益還元利回りを10%と考え、収益還元を行った結果以下の通り収益還元価格が求められた。
純収益1、950、000、000円÷収益還元利回り10%=19、500、000、000円粗賃料利回りベース:13、8%総務庁統計局の「サービス業基本調査(平成11年)」によると、全国に2、878のゴルフ場があるとされている。
最近、この多数のゴルフ場を取り巻く環境に急速な変化が起きている。
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